消化器の調整法


 6月と9月に開催した講習会では、消化器系の調整法を取り上げました。基礎となるテクニックでは、腹部の振動圧や機能促進法(賦活法)、コリレーション特性、経絡・経穴を利用した調整法などを紹介しました。疾患別調整法では、口腔の疾患に始まり、食道、胃、腸など消化管の疾患、さらには消化を助ける肝臓、胆嚢、膵臓など付属器官の疾患とかなりボリューミーな内容となりました。


 消化器系の働きである消化吸収を促進させるには、まず副交感神経が優位な状態へと導く必要があります。さらに、肋間筋の擦過により消化管の蠕動運動を促進したり、腹部の振動圧や椎骨(脊髄神経)への押圧法により各臓器へとアプローチしていきます。
 体形においては、その名が示す通り消化器形(左右形)での調整が基本となります。しかし、単純に左右の傾きを整えればいいというわけではなく、背部の盛り上がり(亀背)や心窩部の状態を改善させることの方が重要です。また、胃酸過多や便秘、下痢などの症状に対しては、泌尿器形(回旋形)での調整も検討されます。さらに、脳腸相関や機能性ディスペプシアなどからも理解できるように胃腸はストレスの影響を受けやすい臓器であるため、心因性の問題も考慮してアプローチする必要があります。